美容ライター・齋藤薫さんの本です。
彼女が書く文章が好きで、美容雑誌は彼女の連載を読むために買うこともあるくらいです。
躾というと形式的なマナーを知っていることだという意味もありますが、それ以上に大切なのはその場の空気を読み、うまくやること。
トラブルを止めるまではいかなくても、悪化させないよう気を使える人のことだと思います。
伝言をそのまま伝える人
この本のなかで印象に残っている部分は沢山あるのですが、ひとつ挙げるとすると「伝言のウソ」というページ。以下一部抜粋です。
オフィスでも人間関係でも”伝言”にセンスや能力がにじみ出る。つまり伝言にはモレがあってはいけないが、時と場合によっては、ウソがあってもいいと思う。
どういうことかと言えば、「〇〇さんに伝えといて。私がものすごーく怒ってたって!!」みたいな伝言を頼まれた時、あなたはどうするのかってこと。
「△△さんが、すごーく怒ってると言ってました」。ひとまずこういうふうに、ほぼ原文のまま伝えた方がいい場合もあるのだろう。しかし〇〇さんが短期で見境のない性質なら、「△△さんが、考え直してほしいと言ってました」と、密かに決裂を避けるアレンジをすることも必要なのかもしれない。(P.30)
これです。
これができるかどうかって非常に大切だと思うんですよ。
たとえ、〇〇さんと△△さんが嫌いで「険悪になれ!」と思っていても、悪意をもってする必要はない。
そこの判断がちゃんとできること。それが「躾があるかどうか」の一要素ということですよね。
典型的な例は、「あの人、あなたの悪口を言ってたよ」という報告。
この報告って本当にゴミ以下ですよね。何がしたいのかがわかりません。
以前知り合いにこれをやる人間がいまして、周囲がものすごーく険悪になっていった記憶があります。
当人は嫌いな人の悪口で盛り上がりたかったのでしょうが、傍から見るとただの愚行。
「はしたない」ってこういうときに使うのでしょうね。
最終的に見放されていました。
躾がある人
空気を読んで上手くやる人、周りを不快にさせない人。
躾がある人っていうのは、そういう人のことだと思います。
今の時代、転職は当たり前でコロコロ環境が変わることなんて日常茶飯事。
そんな中でも周囲とうまくやっていける、生き残る一つの武器として「躾」っていうのは非常に大切なのではないかと、思う次第であります。